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  • ジョブズはリード大学を中退

    1975年までに、ジョブズはリード大学を中退。必修授業に出る必要がなくなったジョブズは、自分の興味のある授業に潜り込むようになる。中退してから興味を持つようになったものが彼の原点となった。リード大では当時、全米で優れたカリグラフの講義を受ける。キャンパス中に貼られているポスターや棚のラベルは手書きの美しいカリグラフで彩られていた。ひげ飾り文字を学び、文字を組み合わせた場合のスペースのあけ方も勉強し、何がカリグラフを美しく見せる秘訣なのか会得しました。科学ではとらえきれない伝統的で芸術的な文字の世界のとりこになったのです。もちろん当時は、これがいずれ何かの役に立つとは考えもしなかった。ところが10年後、最初のマッキントッシュを設計していたとき、カリグラフの知識が急によみがえってきたのです。そして、その知識をすべて、マックに注ぎ込んだ。美しいフォントを持つ最初のコンピューターの誕生です。もし大学であの講義がなかったら、マックには多様なフォントや字間調整機能も入っていなかったでしょう。
    ブルーボックスは、電話回線を不正利用して無料での長距離電話を可能にする機械。ウォズニアックが1970年代初頭に製作したブルーボックスは、ジョブズとウォズニアックのビジネスの原点となる。ウォズニアックが雑誌記事を参考にオリジナルのブルーボックスを自作し、ジョブズが学生などを相手にそれを売り回り、最終的に200台余りのブルーボックスが販売され、ジョブズとウォズニアックは大きな利益を上げたが、あるとき銃で脅されブルーボックスを奪われたことがきっかけとなり、身の危険を感じた2人は販売を止めた。ある日、ウォズニアック氏とジョブズ氏は、ブルーボックスを使ってバチカンに電話をかけ、アメリカ国務長官を語って「私はヘンリー・キッシンジャーだ。教皇と話したい」と電話をかけたこともあるとのこと。「まだ朝の5時40分だから後でかけ直してほしい」と言われたウォズニアック氏がかけ直して「ヘンリー・キッシンジャーだけど」と話しかけると、電話口の向こうの相手に「さっき、キッシンジャー氏と会って話したばかりですが」と言われて慌てたというエピソードも。ジョブズ氏はブルーボックスの意味を振り返って「あの経験から学んだのは、アイデアが持つ力というものです」